銀行格付け(スコアリング)
銀行から融資を受ける際、社長が提出した決算書は必ず銀行の審査本部でデータ入力され、その会社の返済能力がランク付けされます。
これを銀行格付け(スコアリング)と呼び、通常は約10段階で評価されます。格付けが高くなるほど、金利の引き下げや担保・保証の免除といった条件交渉を有利に進めることが可能になります。
「定量要因」が銀行格付け(スコアリング)の成否を握る
銀行の評価配点は、決算書の数値に基づく「定量要因」(129点)と、事業性などを主観的に評価する「定性要因」(71点)に分かれています 。しかし、現在の銀行業務では、主観的な評価に伴うリスクやコストを避けるため、客観的な数値である定量要因が実質的な判断基準となっています。
銀行格付け(スコアリング)で最も重視される「営業利益」を最大化する
定量評価の中で、銀行が5つの利益の中で最も重く配点しているのが「営業利益」です。銀行は本業で安定して現金を稼ぐ力を注視しています。
営業利益を「磨く」ための具体的な戦略は以下の通りです。
雑収入の売上計上:駐車場などの賃貸収入(雑収入)を、定款に目的を記載した上で「売上高」に計上し、営業利益を押し上げます。
臨時費用の仕分け:役員退職金や災害復旧費、周年行事費用などの突発的な支出は、販売管理費ではなく「特別損失」に計上し、本業の利益を不当に下げないようにします。
「自己資本比率」を高めるオフバランスの知恵
営業利益と並んで重視されるのが、財務の安定性を示す「自己資本比率」です。
合格ラインとされる30%以上を目指すには、単に利益を積むだけでなく、総資産を圧縮(オフバランス)することが即効性のある対策となります。
具体的には、借入金をしてまで持ちすぎている過剰な現預金を返済に回したり、不良在庫や回収不能な売掛金を適切に除却したりすることで総資産をスリム化し、比率を劇的に向上させます。
銀行格付けは、単に決算の結果を待つものではなく、社長が意図を持って決算書を「磨き上げる」ことによってコントロールできる戦略的な指標なのです。


