直間比率
直間比率とは、メーカーが顧客に対して直接販売を行う「直接販売(直販)」と、卸売業者や販売店などの流通業者を介して販売する「間接販売(間販)」の売上構成比を指します 。ランチェスター戦略において、この比率は単なる統計データではなく、企業の存続と利益率を左右する「社長直轄の重要戦略」と位置づけられています。
直接販売と間接販売の性質
直接販売(0段階チャネル): 流通業者を介さず最終顧客に販売します。戦略の一貫性を保ちやすく、顧客のニーズやクレームをダイレクトに把握できるメリットがあります。
間接販売(n段階チャネル): 卸や小売などの「販売・物流・金融」機能を活用します。自社で拠点や人員を持たずに広域をカバーできる一方、マージンの発生や、顧客との接点が希薄になるリスクがあります。
弱者が目指すべき「直6:間4」の原則
ランチェスター戦略における「弱者」は、強者と同じように間接販売に頼りすぎると、販売力が分散し、価格競争に巻き込まれやすくなります。
弱者の基本的な戦い方は、顧客に近づく「接近戦」です 。そのため、弱者は直接販売の比率を高め、「直6:間4」を一つの目安としてチャネル構成を構築することが推奨されます。
間接販売を行う場合でも、商流の末端に働きかける「川下作戦」や「源流営業」を併用し、自ら売り切る力を持つことが不可欠です。
市場のライフサイクルによる使い分け
直間比率の最適解は、市場の時期によっても変動します。
導入期・飽和期: 流通業者が扱いたがらない時期や、需要が縮小する時期は直接販売が向いています。
成長期・成熟期: 市場が拡大し、効率的な大量販売が求められる時期は間接販売を活用するメリットが大きくなります。
直間比率は「利益の差」に直結する
事例では、赤字支店ほど間接販売(特に同業他社からの下請け)の比率が高く、利益率が低迷している傾向が示されています。社長は自社の直間比率を正確に把握し、現状を「あるべき姿」へと是正する指揮を執らなければなりません。
チャネルを制するものが市場を制するのです。


