EBITDA(イービッダ)
中小企業の経営改善やM&A、事業承継を検討する経営者にとって、自社の「真の稼ぐ力」を把握することは極めて重要です。その際、世界的な指標として頻繁に用いられるのがEBITDA(イービッダ)です。
EBITDA(イービッダ)の定義と算出方法
EBITDAとは、「Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation, and Amortization」の略称であり、日本語では「利息・税金・減価償却前利益」と訳されます。
厳密な計算式は複数存在しますが、中小企業の経営実務においては、以下の簡便的な計算式が一般的に使われます。
EBITDA = 営業利益 + 減価償却費
この指標が重視される最大の理由は、「企業が本業で稼ぎ出す純粋なキャッシュの流れ(営業キャッシュフロー)」を浮き彫りにできる点にあります。
支払利息や税金、そして過去の設備投資の結果である減価償却費を差し引く前の利益を見ることで、国ごとの税制の違いや会計方針、金利水準、設備投資のタイミングに左右されない、事業そのものの収益性を測定することが可能になります。
M&AにおけるEBITDA(イービッダ)の重要性
M&A実務において、EBITDAは買収価格(企業価値)の妥当性を判断するための「物差し」として機能します。
① 投資回収期間の目安(EBITDA倍率)
買い手は、投資した資金を何年で回収できるかを重視します。これを示すのが「EBITDA倍率」です。
EBITDA倍率 = 企業価値 ÷ EBITDA
この数値が「10」であれば、買収にかかった費用をその会社の10年分のキャッシュフローで回収できることを意味します。一般的には、この倍率が10倍以内におさまっていれば、適正な価格であると判断される一つの目安となります。
② 「のれん代」算定の基礎
中小企業のM&Aでよく用いられる「年買法(ねんばいほう)」では、企業価値を「時価純資産 + のれん代」で算出します。
このうち、目に見えない会社の価値である「のれん代」を計算する際、EBITDA(営業利益+減価償却費)の3〜5年分を上乗せする手法が広く浸透しています。


