少人数私募債とは 〜引退後の安定収入と会社の資金繰りを両立する「賢い社債」〜

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少人数私募債

「少人数私募債」とは、特定の少人数(50人未満)の縁故者や役員などが直接引き受ける社債の一種です。

一般的な銀行引き受けの私募債とは異なり、社内の取締役会決議などの手続きだけで簡単に発行でき、無駄な手数料もかからないのが大きな特徴です。

オーナー企業においては、特に社長が引退する際に受け取る「高額退職金」の運用先として非常に有効な手段となります。

なぜオーナー経営者に選ばれるのか

会社が社長に多額の退職金を支払うと、会社の手元資金は一時的に大きく減少します。

そこで、受け取った退職金の一部を「少人数私募債」という形で会社に貸し戻すのです。これにより、会社は毎月の元金返済に追われることなく資金を確保でき、引退した経営者は会社から安定した利息収入を得ることができます。

個人の手取りを最大化する「3つのメリット」

少人数私募債には、個人の所得を増やすための強力なメリットが3つあります。

① 高利回りでの運用

銀行預金の利息がほぼゼロに近い時代において、少人数私募債であれば年利3%〜5%程度の利息を受け取っても税務署から否認されることはありません。これは、社債が「直接金融(出資に近い性格)」であり、会社倒産時に資金が戻らないリスクを個人が負っているためです。

② 年金の満額受給

通常、高額な役員報酬を受け取っていると厚生年金はカットされますが、社債の利息は「給与」ではないため、年金の受給額に一切影響を与えません。月収を抑えつつ利息で収入を補うことで、年金を全額受け取ることが可能になります。

③ 源泉分離課税の活用(裏ワザ)

通常、大株主が受け取る利息は総合課税(最高税率55%)となりますが、「間接所有」の仕組み(ホールディングス化)を利用して子会社に貸し付けることで、税率を20%の源泉分離課税に抑えられる場合があります。これにより、手取り額を劇的に増やすことが可能です。

会社側の財務的メリット

会社側にとっても、少人数私募債には大きな利点があります。銀行借入と異なり「毎月の元金返済」がないため、資金繰りに余裕が生まれます。さらに、銀行の融資審査において、オーナー社長が引き受けた私募債は実質的に「自己資本」と見なされるため、会社の信用力を高める効果もあります。

実務上の注意点

少人数私募債は、貸付金と同様に「相続財産」となります。そのため、将来にわたってずっと持ち続けるのではなく、会社の資金繰りを見ながら、5年後などの適切なタイミングで会社から返済してもらい、現金を家族へ贈与するなどの次なる相続対策に繋げることが重要です。

少人数私募債は、多くの税理士がその活用法や節税メリットを正しく理解していない「知る人ぞ知る」手法です。適切に導入することで、会社もオーナー一族も共に得をする筋肉質な財務体質を築くことができます。


この記事の引用元:『社長の賢い節税』(ビジテックキャピタル社長 福岡雄吉郎著)

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著者 福岡雄吉郎氏について:2005年名古屋大学卒業、その年に公認会計士試験に合格。大手監査法人を経て、29歳のとき、日本有数の経営コンサルタント井上和弘氏の著書『カネ回りのよい経営』(日本経営合理化協会刊)に衝撃を受け、井上氏が率いる株式会社 アイ・シー・オーコンサルティングの門をたたく。以降、井上氏のもとで、税務対策、資金繰り対策、高額退職金支給、株式承継にたずさわり、実践的な実務を徹底的に叩き込まれる。会計や税務の専門知識を活かしつつ、卓越した情報収集力・分析力・交渉力で、悩めるオーナー経営者の企業参謀として東奔西走の毎日を送っている。

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この記事を書いた人

日本経営合理化協会 出版局です。「ビジネスを成功に導く」をコンセプトに経営用語と、その活用法を解説します。

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