特別損失とは 経営者が知っておくべき定義と活用法

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特別損失

損益計算書(P/L)において、経営者が節税と資金繰りの観点から最も戦略的に活用すべき項目が「特別損失」です。

特別損失とは、通常の事業運営では発生しない、突発的かつ臨時的な費用を指します。

営業利益を守り、銀行格付けを維持する

銀行は融資の判断(格付け)において、本業の稼ぐ力である「営業利益」を最重視します。

役員退職金や災害復旧費などの大きな支出を、会計事務所任せにして販売管理費(固定費)に計上してしまうと、営業利益が大幅に減り、銀行評価を不当に下げてしまいます。

これらを「特別損失」として正しく仕分けることで、本業の成績を汚さずに高い格付けを維持できるのです。

節税戦略の主戦場として活用する

法人税は、経常利益に特別損益を加減した「税引前利益」に対して課税されます。

経常利益が黒字であっても、同額程度の特別損失を計上して税引前利益を圧縮(あるいは赤字に)すれば、税金の流出を抑え、手元に残るキャッシュを最大化できます。

戦略的に出した赤字(欠損金)は最大10年間繰り越すことができ、将来の利益と相殺する「貯金」のような役割を果たします。

具体的な項目と「エビデンス」の重要性

特別損失に計上できる主な項目には、役員退職金、不良在庫の廃棄損、回収不能な売掛金の除却損、含み損のある土地や有価証券の売却損、災害による修繕費などがあります。

これらを計上する際は、税務調査対策として「エビデンス(証拠)」が不可欠です。取締役会の議事録、廃棄した在庫の写真、業者からの廃棄証明、回収努力の記録などを揃えておくことで、不当な指摘を防ぎ、堂々と損失を計上できます。

利益は社長の意図で「作る」もの

「利益は常に黒字が良い」という思い込みを捨て、「営業利益は黒字、税引前利益は赤字(または少額)」という、キャッシュが最も残る形を目指してください。

特別損失を活用して決算書を「磨く」ことこそが、不測の事態に強い筋肉質な会社を作る秘訣です。


この記事の引用元:『社長の決算書の見方・読み方・磨き方』(ICOコンサルティング社長 古山喜章著)

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著者 古山喜章氏について:オーナー社長の困りごとを解決する助っ人として活躍する実力コンサルタント。
 大学卒業後、兵庫県の中堅食品メーカーに入社。主に管理部門のキーマンとして活躍、さまざまな経営改革や制度導入にたずさわる。
 2005年、儲けの構造を知り尽くした、わが国屈指の名経営コンサルタント井上和弘氏が率いる、株式会社アイ・シー・オー コンサルティングに参画。師匠の井上和弘氏からじかに井上式財務を学び、会社に残るおカネを最大化し体質を強化する財務改善、決算対策、銀行交渉、事業承継、相続問題などで抜群の実績を上げる。
 氏の現場のウラのウラを知り抜いた財務ノウハウと、社長と同じ目線に立った懇切丁寧な指導に、経営者から高い評価を得ている。

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この記事を書いた人

日本経営合理化協会 出版局です。「ビジネスを成功に導く」をコンセプトに経営用語と、その活用法を解説します。

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