経常利益
経常利益は、通称「けいつね」とも呼ばれ、損益計算書に記載される5つの利益の中で、中小企業の社長が最も意識し、なじみ深い数字です 。
本業の儲けである営業利益に、本業以外で発生する収支を加えたもので、企業の「総合的な実力」を最も端的に表しています。
経常利益の仕組み:本業+「営業外」の収支
経常利益の計算式は、「営業利益 + 営業外収益 - 営業外費用」です。
営業外収益:受取利息や、本業以外で得ている不動産の賃貸収入(雑収入)などが該当します。
営業外費用:その代表例は銀行借入に対する「支払利息(金利)」です。 本業が黒字でも、多額の借入利息があれば経常利益は圧迫されます。逆に、不動産収入などが安定していれば、営業利益が少なくとも経常利益でカバーされる構造になります。
経常利益を「磨く」社長の知恵
経常利益は、社長の意思と戦略によって「磨き上げる」ことが可能です。
最も即効性があるのは、「支払利息の削減」です。銀行と交渉して金利を下げたり、不要な借入を返済して総資産を圧縮したりすることで、営業外費用が減り、経常利益はダイレクトに増加します。
また、銀行対策として「営業利益」を大きく見せたい場合は、雑収入(賃貸収入など)を、定款に目的を記載した上で「売上高」に計上する手法もあります。これにより、経常利益の額は変えずに銀行格付け上の評価を高めることができます。
目指すべき目標値と安定性の判断
経常利益率(売上高に対する比率)は、一般的に5%以上を目指すべきです。
ただし、不動産業や病院などの「装置産業」では、借入返済原資を確保するために8〜10%以上のより高い利益率が求められます。
単年度の数字に一喜一憂せず、過去5年間の推移を確認してください。売上が伸びていても経常利益率が下がっているなら、コスト構造や金利負担に問題が潜んでいるサインです。
経常利益は、会社が毎期どれだけの利益を継続的に生み出せるかを示す、生存可能性の指標です。この数字を正しく理解し、不要な利息を削り、付加価値を高める努力を続けることこそが、強い財務体質をつくる近道となります。


