オフバランスとは 経営者が知っておくべき定義と活用法

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オフバランス(総資産圧縮)

「資産は多ければ多いほど良い」というのは、過去の常識です。

現在の経営において、不要な資産を抱え込むことは、収益性や安定性を低下させる「メタボ体質」を招きます。そこで重要となる戦略が、貸借対照表(B/S)をスリム化する「オフバランス(総資産圧縮)」です。

オフバランスとは、会社が保有する資産や負債を貸借対照表から切り離すことを指します。単に「資産を減らす」ことだけが目的ではなく、稼働していない「脂肪」のような資産を処分し、効率よく稼ぐ「筋肉」だけの状態に磨き上げることが真の狙いです。


具体的な「オフバランス」の手段

オフバランスを実現するための主な手法には、以下のものがあります。

不要な固定資産の売却・除却:本業に貢献していない土地、含み損のある投資有価証券、稼働していない遊休設備などを売却または廃棄します。特に土地は減価償却ができず、持ち続けるだけで財務指標を悪化させる要因となります。

不良債権・在庫の除却:回収不能な売掛金や、倉庫に眠るデッドストック(不良在庫)を「特別損失」として処理し、B/Sから抹消します。

過剰な現預金の返済:借入金をしてまで持ちすぎている現預金を返済に回します。

リースの活用:中小企業の場合、リース資産をB/Sに計上せず、賃貸借取引として費用処理することで、総資産をコンパクトに維持できます。


オフバランスのメリット

B/Sを圧縮することで、経営指標は劇的に改善します。

収益性の向上:分母である総資産が小さくなるため、「総資産経常利益率(ROA)」と「総資産回転率」が向上し、資本効率の高い経営が証明されます。

安定性の強化:負債を減らして総資産を縮めることで、自己資本の額が変わらなくても「自己資本比率」が上昇し、倒れにくい会社になります。

銀行格付けの改善:ROAや自己資本比率が改善することで銀行のスコアリングが上がり、金利引き下げなどの条件交渉が有利になります。

節税とキャッシュの最大化:資産の除却損を「特別損失」に計上することで法人税を抑え、結果として手元に残るキャッシュを増やすことができます。


オフバランスは社長にしかできない「意思決定」

資産の処分や借入金の返済は、現場ではなく社長にしかできない重要な意思決定です。

定期的に「資産台帳」をチェックし、B/Sに潜むムダを削ぎ落とすことこそが、不測の事態にもビクともしない強い会社をつくる近道となります。


この記事の引用元:『社長の決算書の見方・読み方・磨き方』(ICOコンサルティング社長 古山喜章著)

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著者 古山喜章氏について:オーナー社長の困りごとを解決する助っ人として活躍する実力コンサルタント。
 大学卒業後、兵庫県の中堅食品メーカーに入社。主に管理部門のキーマンとして活躍、さまざまな経営改革や制度導入にたずさわる。
 2005年、儲けの構造を知り尽くした、わが国屈指の名経営コンサルタント井上和弘氏が率いる、株式会社アイ・シー・オー コンサルティングに参画。師匠の井上和弘氏からじかに井上式財務を学び、会社に残るおカネを最大化し体質を強化する財務改善、決算対策、銀行交渉、事業承継、相続問題などで抜群の実績を上げる。
 氏の現場のウラのウラを知り抜いた財務ノウハウと、社長と同じ目線に立った懇切丁寧な指導に、経営者から高い評価を得ている。

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この記事を書いた人

日本経営合理化協会 出版局です。「ビジネスを成功に導く」をコンセプトに経営用語と、その活用法を解説します。

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