純利益
損益計算書(P/L)の最後に記載される「当期純利益(純利益)」は、企業の一会計期間における最終的な経営成績を示す数字です。
売上高からすべての費用、営業外損益、特別損益を差し引き、さらに法人税等の税金を支払った後に残った「最終的な儲け」を指します。
純利益の役割:貸借対照表(B/S)との繋がり
純利益は、単なる一年間の成績表に留まりません。この利益から配当金などが支払われ、残った金額は貸借対照表(B/S)の「純資産(自己資本)」にある「剰余金」へと加算されていきます。
つまり、毎期の純利益を積み上げることが、借入金に頼らない強固な財務体質(自己資本)を築くための唯一の道なのです。逆に赤字(当期純損失)が出れば、それまで蓄積してきた剰余金を取り崩すことになり、会社の体力は削られてしまいます。
戦略的な「赤字」という選択肢
多くの経営者は「最終利益は黒字であるべき」と考えがちですが、財務戦略としては、あえて一時的な赤字(または少額の黒字)を作るという選択肢もあります。
例えば、役員退職金の支給や不良資産の処分によって「特別損失」を多額に計上し、税引前利益をマイナスにすれば、法人税等の支払いをゼロに抑えることができます。
このとき発生した赤字(欠損金)は、最長10年間にわたって翌年以降の利益と相殺できるため、将来の納税額を減らす「貯金」のような役割を果たし、結果として社内に残るキャッシュを最大化させることに繋がります。
銀行評価と純利益の関係
「純利益が赤字だと銀行の格付けが下がる」と心配する社長も多いですが、銀行が格付け(スコアリング)において最も重視するのは、本業の稼ぐ力である「営業利益」と、財務の安定性を示す「自己資本比率」です。
一時的な特別損失による純利益の赤字であれば、その内容を銀行に説明することで、評価を落とすことなく戦略的な節税と資金繰り対策を実行することが可能です。
純利益は社長の「意思」で決めるもの
当期純利益は、単に計算の結果として出てくる数字ではなく、「今期はいくら利益を残し、いくら税金を払うか」という社長の意図によってコントロールされるべきものです。
この最終利益の仕組みを深く理解し、中長期的な視点で会社の「貯金」をどう作っていくかを考えることこそが、永続する企業をつくるための真の財務管理と言えます。

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