総資産経常利益率(ROA)とは

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総資産経常利益率(ROA)

多くの経営者が売上高や利益の額に一喜一憂しますが、会社の真の「稼ぐ力」を計る指標こそが、この総資産経常利益率(ROA)です。

数ある経営指標の中でも「トップスター」や「主役」といえる最重要項目であり、社長が決算書を読み解く際に決して外してはならない指標です。


総資産経常利益率(ROA)の計算式と「二つの車輪」

ROAは、投じた総資産に対してどれだけの経常利益を稼いだかを示す指標です。

計算式:経常利益 ÷ 総資産 × 100(%)

この式の最大の特徴は、「利益率」と「回転率」という二つの要素に分解できる点にあります。

ROA = 売上高経常利益率(収益性) × 総資産回転率(効率性)

つまり、いくら利益率が高くても資産がダブついていればROAは上がらず、逆に利益率が低くても資産を効率よく回せばROAは向上します。


目指すべき合格ラインと目標値

中小企業において、総資産経常利益率の合格ラインは8%、目標値は10%です。自社の数値が10%未満であれば、収益体質や資産の効率性に課題があると認識すべきです。この数値が高いほど、少ない資産で大きな付加価値を生んでいる「筋肉質な経営」ができている証拠となります。


ROAを劇的に改善する「オフバランス」の知恵

ROAを向上させるには「利益を増やす」か「資産を減らす」かの二択です。デフレ環境下で利益率を大幅に上げるのは容易ではありませんが、分母である総資産を圧縮(オフバランス)することは社長の決断一つで可能です。

具体的には、以下の「脂肪」を削ぎ落とします。

不要な資産の除却:不良在庫(デッドストック)や回収不能な売掛金を処理し、特別損失として計上します。

遊休資産の売却:本業に貢献していない土地や投資有価証券を売却し、借入金の返済に充てます。 これによって総資産が縮めば、同じ利益額でもROAは劇的に向上します。


強い会社をつくるには収益性(ROA)と安定性(自己資本比率)の両輪が不可欠

強い会社をつくるためには、収益性(ROA)と安定性(自己資本比率)の両輪が不可欠です。

「企業体力 = ROA × 自己資本比率」と定義し、合格点である「300(10% × 30%)」を常に意識してください。

単年度の損益(P/L)だけでなく、資産の効率性(B/S)を磨き上げることこそが、会社を永続させるための最強の財務戦略となります。


この記事の引用元:『社長の決算書の見方・読み方・磨き方』(ICOコンサルティング社長 古山喜章著)

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著者 古山喜章氏について:オーナー社長の困りごとを解決する助っ人として活躍する実力コンサルタント。
 大学卒業後、兵庫県の中堅食品メーカーに入社。主に管理部門のキーマンとして活躍、さまざまな経営改革や制度導入にたずさわる。
 2005年、儲けの構造を知り尽くした、わが国屈指の名経営コンサルタント井上和弘氏が率いる、株式会社アイ・シー・オー コンサルティングに参画。師匠の井上和弘氏からじかに井上式財務を学び、会社に残るおカネを最大化し体質を強化する財務改善、決算対策、銀行交渉、事業承継、相続問題などで抜群の実績を上げる。
 氏の現場のウラのウラを知り抜いた財務ノウハウと、社長と同じ目線に立った懇切丁寧な指導に、経営者から高い評価を得ている。

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この記事を書いた人

日本経営合理化協会 出版局です。「ビジネスを成功に導く」をコンセプトに経営用語と、その活用法を解説します。

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